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Shin Yoshika

- 吉賀 伸 -

本展覧会によせて

移ろいゆく自然の様々な形象からインスピレーションを得て、その成り立ちを陶という素材の特性に重ね合わせながら彫刻作品を作っています。流動的な自然を彫刻として留めるにはどうしたらいいか、そして彫刻を自然のように流動させるには・・・。というようなことを作りながら考えています。
拡散し膨張する雲、低い方へ流れ落下する水、連続して上昇する炎など。それら立体的に分析したままに造形の軌跡として粘土でなぞり、高温で焼成します。粘土もまた流動する物質ですが、焼成によって固定されます。
動かない彫刻を心理的に動かす方法とは・・・。私の観察では、記憶と予測という幅のある時間の中で対象を把握しています。そのような形の連なりや、光の反射と映り込みによって実体が消える錯覚を形と素材に与えることで、観る者の視線と意識を形の向こう側に送りたいと思っています。
今回の作品では炎の形象をベースに、うつ伏せの人、うずくまる人、立っている人のイメージを加え、幻影のように人の存在の妖しさ(怪しさ)が現れることを試みました。

本展覧会 作品展示風景

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