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Shinji Miyasaka

- 宮坂 慎司 -

本展覧会によせて

遺跡からの出土品のような、人間の痕跡を表すもの、
特定の人物像ではなく、普遍的な人間像への関心がある

作品の表面は対象の肌を形象化したものではなく、
存在感の表層、そのものらしさの輪郭を表すものである

素材感と形態感は互いに密な関係にあり、
形に依拠する素材感もあれば、素材感が導くかたちもある

ブロンズとモルタルを主材とする造形
硬質で彫り刻んでいくのに難のある素材だが、
その不自由さがもたらす制作の速度感が好みでもある

大らかな量感と、風化していくようなかたちの脆さ、
ゆるやかな時間と静かな空間、穏やかながら威儀を示したい

空蝉、貝、外殻、
実体としての身体はなくとも、
そこにはひとの存在を感じられることがある

何かを語るような、歌うような、
ひとのかたちをとらない人間像を模索している

本展覧会 作品展示風景

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